ライターの風花と申します。
今回は、看護師だった私が日雇いバイトをしなければならなくなった時のお話をしていきたいと思います。
日雇いバイト、人によっていろいろな考え方はあるかもしれませんが、私にとってはとても良い経験になったのを覚えています。
資格を持っていると、「その仕事をしなきゃもったいない」と思ってしまいがちです。
実際私もそうでした。
この記事でわかること
- 工場の夜勤バイトをした理由
- 夜勤工場で働いた感想
- 違う職種を体験して思うこと
手っ取り早いお金の急場しのぎのつもりが、違う仕事を知ることでいろいろと人生を考えるきっかけになった日雇いバイトのお話です。
看護師の私が日雇いバイトをした理由はお金がないから
私が日雇いバイトをしなければいけなくなった理由は、単純に給料の少なさからでした。
当時、正看護師の資格を持ちつつ、クリニックで働いていました。
クリニックの給料は社長である医師が決めます。
今の私ならとても就職先として選ばない、手取り月収15万の給料で働いていました。
しかも年金や保険にも入っていません。
税金や車の維持費、携帯料金、家に入れるお金を考えるととても足りません。
当然ボーナスもありません。
なぜそんな病院に入ったのかという疑問を抱くと思いますが、理由は長くなるのでここでは伏せておきます。
フルタイムで働いているのにほとんど友達とも遊びに行けず、買いたいものも我慢するのが日常茶飯事の日々でした。
頑張って資格を取ったものの、こんな給料しかもらえなかった看護師としての職に絶望したのを覚えています。
学生時代にバイトで貯めた貯金も底をつきはじめ、とうとう携帯電話の料金が支払えなくなりそうでした。
日雇いバイトで選んだ仕事は夜勤の工場作業
そんな時、私が見つけたのが手っ取り早い日雇いバイト。
日雇いバイトの良い所は働きたい日にちに合わせて仕事ができることです。
早速クリニックの休みに引っ掛けて、夜勤のバイトを探しました。
夜勤のバイトを探した理由は、単純に給料が良いからです。
しかも当時は夜型人間だったので、仕事終わりの時間を活かして翌朝まで働けば翌日は実質フリー。
まだ若かったですし、とにかくお金が必要だったのです。
やりたくてやるわけではないバイト。
早く始めて早く終わらせたいという気持ちもありました。
そんな私が選んだバイトは工場のルート作業員。
クリニックで看護師をしている私の仕事とは180度違う職種です。
あえてこの仕事を選びました。
看護師の仕事に嫌気がさしていた私は誰とも話さず、関わらずに仕事をできる環境を探していたのかもしれません。
工場のルート作業は8時始まりの4時終わり、日給12,000円程度でした。
クリニックで仕事をしていた私からすると12,000円は大金です。
一日働けば携帯料金も払えてしまいます。
そんな思いから私は、日雇いバイトで一日だけのスポットという形で仕事をすることになったのです。
日雇いバイト当日はド緊張でドキドキ
当日、現場に入るだけで昼間の仕事よりはるかに緊張していたことを覚えています。
「本当に会話しなくていいのか」「もくもくと仕事のことだけをしていればいいのか」そんなことに興味があったからです。
案内された作業場所はコンベアの前でした。
コンベアに乗って流れてくるボトルが倒れていないかを点検し、倒れていたら立てていくという誰にでもできる仕事です。
そもそもボトルの補充は社員の方がやってくれるので、コンベアで流れてくるボトルが倒れていることはほとんどありません。
私と同じように、初めてこの日雇いバイトに来た人たちも数人いるようでした。
その人たちはひたすら段ボールを運ぶ仕事や、私と同じようにコンベアに乗って流れているボトルをひたすら眺めています。
はじめは簡単な仕事だと思いました。
初めて2時間くらいは「この作業でこれだけもらえるなら昼間の仕事よりずっといいかも」とも思いながらの作業でした。
しかしこれが3時間4時間と続いてくると、脳がマヒしたように集中力がかけてくるのを感じました。
ずっと同じ見た目のボトルがただただ右から左へ流れてきます。
睡魔との闘いという今までにない体験
工場内の照明は暗くコンベアが動く音以外は静まり返っている状態です。
お昼も働いていた私は、当然のように眠気を感じてきました。
休憩になる前の時間には脳がぼうっとしていたのを覚えています。
体を動かせるわけではないこの作業は睡魔との戦いでした。
ふと見ると向かいで作業している男性はうつらうつらと船をこいでいます。
男性が倒れたボトルを見逃すと大きな音でブザーがなりコンベアが止まるシステムです。
その音で自分も意識がはっきりする。そんな状態でした。
そしてブザーがなり続ける中、休憩時間になりました。
休憩中も誰一人話をする人はいません。
狭い喫煙所に工場の大半の人が集まっているのに、誰も会話らしい会話をしている人はいませんでした。
その中に一人大声で話している初老のおばさんがいました。
「今日のバイトは使えない」とか「もっと楽な仕事がしたい」などの話を誰が聞くでもなく話しています。
社員と思われる方が頷きのみで返答しているのが見えました。
クリニックに比べると人と会話しなくていいし、現場から動かなくていいので楽に見えること仕事もほかの人から見ると大変な仕事のようでした。
価値観が全く違うので会話に入っていくことはもちろんできません。
こんな休憩の仕方を見た私はびっくりしました。
クリニックでは休憩時間も皆おしゃべりで忙しく休んだ気なんてしていなかったからです。
水分をとったり、トイレにいったりと本当に体を休ませるための休憩を終え、後半の仕事にとりかかることになりました。
後半の仕事に入ると前半に私の前にいたバイトの方が入れ替わっていました。
彼はブザーを鳴らす回数が多かったせいか、交代させられたようでした。
私はまた同じ作業の繰り返しです。休憩で少し頭が休んだ分2時間ほどは集中して取り組んでいたと思います。
突然の出来事で作業は中止になる
後半も2時間ほどたつと急にコンベアが止まりました。
コンベアの不具合で停止したようです。
訳も分からずその場に立っていると、先ほど休憩所のところで大声で話していたおばさんがモップを渡しながら「今日はもう修理終わらないから、あと掃除して」と言ってきました。
コンベアが止まってしまったので作業は全くできない状態です。
私はびっくりしました。日雇いのバイトを何人も入れているのに作業が出来なければ掃除をしていればいいなんて楽すぎると思ったからです。
こんなことで給料がちゃんと出るのか不安になりました。
それでも社員の方々は引き上げ、パートや日雇いバイトのみで掃除をします。
それでもそれほど大きくない作業区画はあっという間に掃除も終わってしまいます。
おばさん達の立ち話を眺めることで私の日雇いバイト初体験は終わったのでした。
日雇いバイトの給料は翌朝派遣会社に取りに行く
帰ろうとすると空がうっすら白んでいました。
給料の受け取りは派遣会社に10時以降に取りに行くことになるので一時家に帰宅することに。
体力的にはそれほど疲れてはいません。
ですが、いつも昼間働いているのとは逆で話さない動かないことで精神的にはものすごく疲労が溜まっていると実感したのです。
過眠をとり、給料をもらいに行くとちゃんと、あらかじめ言われていたとおり、12,000円ほどを頂くことができ、無事携帯料金も払うことができました。
まとめ
以上が、初めて体験した日雇いバイトの体験談です。
私の日雇いバイトは、昼間の仕事とかなりギャップのある仕事だったと思います。
ですが、どんな職場でもいろいろな人がいていろいろなことを考えて仕事をしているのを感じました。
またやりたいかと言われると少し悩んでしまうかもしれませんが、いい経験になったと思います。
この体験でわかったことは、日雇いバイトはお勧めだということです。
- 急場しのぎでお金が欲しい人
- 違う職種を体験してみたい人
お金もそうですが、今の職場に不満がありリフレッシュしたいときなどは、まったく違うお仕事をすることは新鮮ですしオススメです。(公務員除く)
自分の中の価値観が変わる良い経験でした。
違う職種を体験してみたい人はこちらの記事が参考になります。