葬祭のバイトをしてみたいけど…どんな仕事なんだろう?
そんな悩みを抱えてここをクリックしませんでしたか?
死に関わるお仕事ですから「怖い」や「大変そう」といったイメージをお持ちかもしれません。
ご安心ください。
実は私も10年前に「葬祭バイト」についてネットサーフィンをしていた1人でした。
この記事では華の女子大生だった私が、1年間葬祭バイトをしてみてわかった仕事内容と魅力をまとめています。
この記事でわかること
- 葬祭バイトに向いている人はこんな人
- 葬祭バイトの仕事内容や仕事の流れ
- 葬祭バイトで注意しなければいけないこと
この記事さえ読めば、あなたのバイト先は決定したも同然ですよ。
お金がない!そこで見つけた葬祭バイト
本題のその前に。
10年前に華の女子大生であった私が、なぜ数ある仕事の中から葬祭バイトを選ばなければならなかったのか、簡単にお話をさせてください。
年末でこの店を閉めます…
忘れもしないあれは大学3年生の年末のこと。
大学入学時からアルバイトをしていた喫茶店がなんと倒産してしまったのです。
苦学生だった私は毎月5万の奨学金を借りてはいたものの、食費や水道光熱費を支払うために月に10万は稼ぐ必要がありました。
当時、喫茶店の他にカラオケ店でもアルバイトをしていたのですが、せいぜい8万円前後。
事情を知る喫茶店のオーナーが時間の融通をきかせてくれてなんとかまかなえていたのに…。
通帳の残高は減る一方、焦るばかり。
求人サイトで葬祭のバイトに出会う
そんな時に求人サイトで出会ったのが葬祭のバイトでした。
今だから言えますが、実は少し抵抗がありました。
映画「おくりびと」でも、主人公がご遺体に化粧をする納棺師(のうかんし)になる際、妻には内緒にするというシーンがあるくらいですから、葬祭に関する仕事は敬遠されがちなのです。
しかしその分、時給は高い…。
ぐぬぬ…と思ったものの、そこは華の女子大生の私。
頭の中もお花畑だったので、ネットサーフィンして「時給高いならいっか」と決める運びとなりました。
葬祭バイトでの大切な4つのこと
さて、本題の葬祭のお仕事の紹介をはじめます。
はじめに、このお仕事のポイントを4つの大切なことがあります。
- 出勤の可能性は一年中あること
- デリケートなお仕事のため、マナー・礼儀・心配りは最重要だということ
- アルバイトの段階では仕事内容は難しくないこと
- 精神的に辛いということ
葬祭バイトは365日年中無休!礼儀はマスト
「死」はいつくるのか誰にもわかりません。
ですから、私たち葬儀業は年中無休で出勤の可能性があります。
また、接客業ではあるのですが、歯を見せた笑顔や「お待ちしておりました」などの声かけもするべきではないですよね?
よって、マナーや礼儀、ご遺族への心配りは常に意識しておかなければなりません。
葬祭バイトってどんな仕事内容なの?
仕事内容は、ご遺族の食事の配膳と下膳、掃除、また通夜・葬式・火葬などの補助です。
多くの場合、夕方18時に通夜があり、翌日の10時から葬式という流れだったので、私の2日間の出勤スタイルをみていきましょう。
『発生しました』と連絡がきて通夜の仕事が始まる
通常、人が亡くなると通夜といって故人と最後の夜を過ごす儀式が行われます。
夜中の23時頃から明け方3時前後に亡くなれば、通夜はその日の夕方18時前後に行われることが多いです。
それ以外の時間帯に亡くなれば、翌日の18時前後に行われます。
亡くなる時間帯によって、通夜の日程が変わるのですね。
よって出勤の要請が出るのは勤務日の前日か当日です。
私たちは人が亡くなることを「発生する」と言い、『本日、発生したので入ってください』こんなふうに連絡が来ました。
発生により、私たち葬儀業の仕事は始まるのです。
お通夜の仕事内容
1日目は通夜です。
夕方16時に出勤をすると、身だしなみを整え、18時の通夜に備えます。
私の職場では、葬祭ディレクターという国家資格を持つ人と、有資格ではないけれどセレモニースタッフと呼ばれる人が、ご遺族との打ち合わせや司会進行などの大事な役割をします。
裏方の私たちは、ご遺族が翌日の葬式に備えて宿泊される部屋の掃除、浴室、トイレの掃除をし、食事の配膳をします。
通夜と食事が終われば、食事の下膳、飲み物の補充をし、朝食に備えて掃除やテーブルを整えます。
葬儀の仕事内容
2日目は葬儀です。
8時に出勤し、掃除や葬式後の食事の配膳をします。
食事や掃除がなければ、手の足りないところに配置されるというイメージですね。
泣いているご遺族を誘導したり、会場までご案内をしたり。
細かな心配りやマナーは必要ですが、内容としてはあまり難しくはないでしょう。
もちろん、裏方だから言えることですが…。
ご遺族と関わる葬祭ディレクターやセレモニースタッフは、火葬場の手配や霊柩車の手配、ご遺族との意見のすり合わせなど、迅速な対応が常に求められます。
また発生すればすぐに火葬場の予約をしなければならないので夜勤もあります。
高給・高時給と言われますが、納得ですね。
精神的に辛い…死と直面
ここまで読んでいただき、アルバイトでしたら体力的にはそれほどキツくはないことがおわかりいただけたのではないでしょうか。
正直、かけもちのカラオケ店の繁忙期の方が常にマルチタスクを求められたので辛かった思い出がありますね。
しかし、葬祭バイトの最も辛いのは体力的ではなく精神的なところにあるのです。
お金を稼ぎたい「華の女子大生」の私の動機では、ショッキングは仕事でした。
最も辛いのは、ご遺族やスタッフに見送られながら、霊柩車の「ブーーー」という長いクラクションが鳴り火葬場へ運ばれる時でした。
初めて霊柩車を見送った時、しんみりしている新人の私に年配のスタッフがこう言いました。
「最期は後悔なく送り出してあげたいね」
後悔なく…というのは深い理由があるのです。
後悔のない最期を
故人やご遺族にはさまざまな事情があり、故人の死亡原因も病気や事故などさまざまです。
私のような裏方スタッフにはその事情を知る機会はないのですが、知らない私でも見るに耐えかねるご遺族に接するケースがありました。
「見送らない」「式に出ない」という選択をされるご遺族もいました。
ですから、通夜と葬式を終え、ご遺族とともに霊柩車を見送った時、ご遺族にとっても私たち葬儀業にとっても「後悔のないように」サポートしてあげるのが私たちの仕事だと教えられました。
華の女子大生である私にとって、アルバイトは楽しく社会を学ぶところというイメージでした。
しかし、その日を境に「最期を後悔なく送り出す」サポートをすることを努めた1年間となったのです。
葬儀バイトのまとめ
以上、私の葬儀バイトのお話でした。
葬儀の仕事は、飲み会や新しい出会いといったポジティブなイメージはありません。
しかし、マナーや礼儀を学べ、誰もが通る死というお別れをサポートできる貴重な経験となるでしょう。
余談ですが、あの苦学生だった私にも今は大切な家族がいます。
この10年間で身内を2度送り出しました。
泣いている私を支えてくれたスタッフの優しさに助けられたのを覚えています。
「最期を後悔なく送り出してあげたい」
アルバイト時代に思ったことを、時を経て遺族の立場で思ったのですね。
10年前、私が関わってきたご遺族は悲しみを乗り越えられたのでしょうか。
答えはわかりませんが、こうして遺族の立場になってみて改めて、学生時代に葬儀の仕事に携わっていてよかったと思っています。
いかがでしたか?
最期を後悔なく送り出す案内人は、あなたのようにどんな仕事なのだろう?と興味を持った人であるといいなと願っています。
おわり。
仕事を始めたい人は一通りの知識が必要です。
こちらの記事が参考になります。